相撲決まり手白書 掛け手(十八手)
掛け手は、全八十二手ある決まり手のうちの十八手。バリエーション豊富で、珍しい決まり手もたくさんあります。
当記事では、掛け手十八手について詳しく説明しているので、気になる方はどうぞ寄ってってください!
掛け手(十八手)
以下、全十八手の掛け手を一挙紹介します。それぞれの違いと特徴をしっかりと押さえましょう。
内掛け
四つの状態から、自分の片方の足を相手の足の内側に掛けてバランスを崩し、寄りかかるようにして仰向けに倒す決まり手。自分の右(左)足なら相手の左(右)足の内側に掛ける。舞の海、智ノ花、海鵬といった小兵力士も得意とすることが多く、1994年11月場所で、舞の海が当時最重量だった小錦を破った際の決まり手でもある。
外掛け
四つの状態から、自分の片足を相手の足の外側に掛け、相手を引き寄せながら、そのまま寄りかかるようして仰向けに倒す決まり手。相手が吊りや投げの返し技でもあり、足が伸びきった際、より足首に近い位置に掛けると綺麗に決まりやすい。
1939年1月場所、破竹の69連勝を記録していた横綱・双葉山が前頭の安藝ノ海節男に敗れたときの決まり手。
ちょん掛け
切り返し
自分の膝の内側に相手の膝の外側を乗せて、足は土俵についたまま相手を後ろ向きにねじり倒す決まり手。足を土俵から離して、相手の膝の外側に掛けて倒すと「外掛け」となる。「下手投げ」や「打ちかけ」の返し技。
河津掛け
河津掛けは、数年に1度見られるかどうかという稀な技。腕を外の首に巻きつけた状態から、相手の内股に片方の足を掛けてから跳ね上げ、そのまま後ろに倒す。「外掛け」や「切り返し」などの返し技としても知られる。
蹴返し
左右どちらかの足の甲で、相手のくるぶしあたりを払うように蹴って態勢を崩し、そのまま一気に叩き落とす決まり手。四つに組んだ状態や頭を付け合っているときによく見られる。
蹴手繰り
三所攻め
その名の通り、相手の左右の両足、胸ぐらの3所を同時に攻めて倒す決まり手。相手のどちらか片方の足を内掛けもしくは外掛けで掛けると同時に、残った足を手に掛けすくい上げ、そのまま頭で相手の胸を押して、仰向けに土俵に押し倒す。
渡し込み
二枚蹴り
組んだ状態より、相手の足首から膝(二枚)の外側を蹴りながら、腰を捻って倒す技決まり手。難易度が高く、幕内ではめったに見られない。横綱・栃錦が得意とした技でも有名。
小股すくい
外小股
組んだ状態から投げを打ち、相手が残そうと前に出た足を外側からすくって抱え、そのまま土俵に出すか、倒す技。内ですくうか外ですくうかが、小股すくいとの違い。
大股
出し投げを打った際に、小股すくいなどを警戒し、前に踏み出した遠い方の足をすくい、足の内側から投げ入れる決まり手。幕内では、1958年以降出ていない、まさに幻の技。
褄取り
組んだ状態から出し投げを打ち、前につんのめって後ろに流れた、相手力士の足のつま先を掴み上げて倒す技。“褄”とは、着物の裾(すそ)の両端部分を指し、ここではつま先を意味する。
小褄取り
足取り
相手の懐に潜り込み、相手の片足を両手で抱え込んで仰向けに倒す、もしくは土俵外へ出す決まり手。小兵が得意とする場合が多い。
裾取り
相手が投げを打って出た際にこらえて、下手の差し手で相手の足首(裾)をつかんで投げる決まり手。柔道でいうところの「出足払」。
裾払い
「出し投げ」あるいは「引っ掛け」を打ち、相手がこらえようとして前に出た足の足首あたりを、後ろから蹴り払って倒す決まり手。
まとめ
数ある掛け手の中でも、めったにお目にかからない決まり手は、河津掛け、三所攻め、大股、二枚蹴り、小褄取り、褄取りの6つとなります。幕内にこだわらず様々な段の取組を観戦すれば意外に早く目にすることができるかも!?
参考文献:『大相撲手帳 [ 杉山 邦博 ]』
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