【大相撲】行司の必須品!「軍配」とは? 値段、意味、種類など徹底解説!

「軍配」は行司を行司たらしめる必須品!持ち手によって描かれている絵は千差万別で、かたちにも違いがあります。

当記事では、それらを踏まえて相撲の「軍配」が用いられた時期や値段なども徹底解説しています。相撲を見て、ふと「軍配」について気になった方、どうぞ寄ってってください!

「軍配」の役目や意味とは?

取組を仕切る全ての行司が持つ「軍配(相撲団扇、軍配団扇、団扇とも)」は、主に取組の勝ち負けの判定を示す場合や、制限時間いっぱいになり取組最後の仕切りを示す場合に用いられる小道具の1つです。軍配によっては、代々受け継がれていく「譲り団扇」というものものあります。

用い方の例としては、勝ち負けの判定の際は、勝った力士の側に軍配を上げてその方向に向き(軍配を上げる)、最後の仕切りを伝える際は軍配を裏返して立て(軍配を返す)、立ち合い瞬間には軍配を一気に引きます(軍配を引く)。さらに昔だと、持ち方も木村流は手の甲が「上(陰)」、式守流は手の甲が「下(陽)」といった違いがありました。現在だと持ち手は自由です。

特に「軍配を上げる」、「軍配を返す」、「軍配を引く」といった言葉は、TV中継などでもよく用いられているので、その所作だけでなく言葉も一緒に覚えておきましょう!また、勝ち力士に上げた軍配が物言いで違った場合は、「軍配差し違え」と言います。

元々は団扇が用いられていた

軍配は、軍配団扇や相撲団扇とも称されるように、元々は軍配ではなく団扇(唐団扇)が用いられており、さらに時代を遡ると扇子が代わりに用いられています。

現在のような軍配が用いられるようになったのは、幕末からと言われており、このころから団扇と軍配を併用するようになっています。

軍配の色かたちについて

軍配のかたちは、たまごのようなかたちをした「たまご形」、上部が丸く出ている「ひょうたん形」の2つに分けられ、現在ではもっぱら「たまご形」が用いられています。行司曰く、「たまご形の方が使いやすい」のだとか。

また、軍配には絵や文字も描かれていますが、こちらは家紋や漢詩の一節や四字熟語、虎や龍、富士山など様々です。四字熟語は、「明鏡止水」と「天下泰平」などがよく用いられています。

ちなみに材質は、ケヤキ、カシ、コクタン、シタンなどの漆塗りで、幕下以下のものだと白木となっています。

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房の色は階級によって違う

軍配に持ち手についている「房」の色は、行司の階級によって以下の通りに定められています。

  • 立行司・横綱格:紫
  • 立行司・大関格:白紫
  • 三役格:緋
  • 幕内角:紅白
  • 十両角:青白
  • 幕下・三段目:青
  • 序二段・序の口・前相撲格:黒

色は、紫を一番高貴な色とし、白を清浄とする日本古来からあるランク付けを元にして決めています。ちなみにこれらの色は、軍配の房だけなく、烏帽子のあご紐、直垂の菊綴、袖と袴のくくりひもなどとも全て共通します。

値段が破格!

ある意味納得というか、軍配はかなり高価なものです。

例のごとく行司の階級が上がるにつれて、その用いる軍配の値段も高くなっていきます。番付一番下の序の口を仕切る行司の軍配でさえ6万2,000、幕内となると最低でも50万円の値段となり、100万円するものもあります。つい最近では、木村寿之介の軍配は500万円にものぼり話題にも。

その値段からも軍配は、やはり行司にとって欠かせないものであることが分かります。

参考サイト・文献:朝日新聞デジタル日刊スポーツ大相撲の道具ばなし日本相撲大鑑

総括

  • 軍配は、主に取組の勝ち負けの判定を示す場合や、制限時間いっぱいになり取組最後の仕切りを示す場合に用いられる。
  • かたちは「たまご形」、「ひょうたん形」の2種類に分けられる。
  • 値段は、最低でも6万2,000円する高価なもので幕内だと100万円するものもザラにある。
  • 行司の階級によって房の色が異なる。
  • 軍配が用いられ始めたのは幕末ごろから。