【大相撲】女人禁制の理由や歴史を分かりやすく解説!

相撲は1500年以上の歴史をもつ日本に誇る国技ですが、実は女性がその観戦を許されるようになったのはつい最近の出来事です。これまで相撲は女人禁制であり、この習わしは現代においても続いています。

当記事では、相撲がなぜ女人禁制なのかについて、その歴史を踏まえつつ分かりやすく解説しています。気になる方はどうぞ寄ってってください!女人禁制は実は「血」が問題ではなかった!?

相撲は女人禁制

昔から相撲は、女性の立ち入りを禁止する女人禁制といわれています。

これは特に大相撲での土俵にいえることであり、今日でも女性が土俵に上がることは許されていません。

また、その歴史を紐解けば、江戸時代までは、女性はそもそも相撲を観戦することさえ許されていませんでした。今日のように女性が相撲を観戦できるようになったのは、明治以降になってからです。

つまり、女性が土俵に上がることが許されない時代のほうが圧倒的に長く、それは今日にもまだ根強く残っている1つの風習だというわけです。

近年でも、わんぱく相撲全国大会で、予選を通過した女子が国技館の土俵にあがれなかったことや、土俵で倒れた人を女性が救命処置をして話題になるなど、女人禁制が今なお続いていることがはっきり見てとれます。

相撲が女人禁制の理由は?

相撲が女人禁制たる理由とは?

これは、先の土俵で救命処置を行った女性に対する、相撲協会の謝罪文となる「理事長談話」から見て取ることができます。

「(女人禁制は)けっして女性差別ではありません。そう受け取られているとしたら大変な誤解です。土俵は力士にとって神聖な闘いの場、鍛錬の場。力士は裸にまわしを締めて土俵に上がる。そういう大相撲の力士には男しかなれない。大相撲の土俵には男しか上がることがなかった。そうした大相撲の伝統を守りたいのです」

土俵は男が必死に戦う場であるという約束ごとは力士たちにとっては当たり前のことになっており、その結果として、土俵は男だけの世界であり、女性が土俵に上がることはないという慣わしが受け継がれてきたように思います。」

出典:【日本相撲協会】「理事長談話」

この文章から、昔から裸の廻し姿になって土俵で戦えるのは男性だけだから、女性は土俵に上がれないというわけです。また、ここでは土俵はあくまでも男が必死に戦う場であるという考えの元になりたっているとも語っています。

さらに文面では「「協会は女性を不浄とみていた神道の昔の考え方を女人禁制の根拠としている」といった解釈が語られることがありますが、これは誤解であります。」と、相撲の女人禁制でよく語られている女性の生理からくる「血」を穢れとみるという考えは、誤りであるということも記されています。

他でもない相撲協会からの返答なので、女人禁制とするかなりの核心をついた答えといえます。少なくとも現在の相撲協会は、この考えにのっとって女人禁制としているのは間違いありません。

ちなみに、先以外にも仏教の『法華経』「提婆達多本」にある女の五障と当時の女性の社会的・経済的地位が低かったことを女人禁制の由来とする説もあります。

実は女性と相撲の関係は深かった!?

先までに相撲が女人禁制だということは、散々述べてきました。ですが、相撲の歴史をメディアや書籍で、より詳細に見ていくと本当に女人禁制だったの?と思うような事実は意外に多く見受けられます。

なかでも日本最古の歴史書とされる『日本書紀』には、天皇が宮中の女官に相撲を取らせたことがはっきりと記されていますし、室町時代の勧進相撲でも尼僧が相撲をとったことが『義残後覚』で見て取ることができます。

また、江戸時代後期から戦前にかけて、興行としての女相撲なるものも存在しており、今日においても東北や九州などで祭り行事として続いています。

たびたび話題に上る相撲の女人禁制ですが、女性と相撲との関わりは決して少なくないことが分かります。

女相撲が盛んに!

昔に比べ、女性対する考え方は相撲もかなり変わっています。

特にそれは女相撲で見て取ることでき、今日では、既に日本女子相撲連盟なるものも存在し、女子相撲の全国大会も開かれています。最近では、メディアでもよく取り上げられているため、テレビで女性が相撲を取っている場面で見た方も少なくないはず。

ただし!これはあくまでもアマチュア相撲での話!

やはりプロの大相撲だと女性進出の壁は厳しく、特に国技館の土俵が今も女人禁制である部分が大きいです。

ですが、女性が相撲を取るという考えは、徐々にですが浸透しつつあります。いつの日か、国技館の土俵に女力士が立つときが来るかもしません!

総括

  • 大相撲では、女性が土俵に上がることが許されない女人禁制が続いている。
  • 大相撲が女人禁制なのは、裸の廻し姿で戦えるのは男性だけ、土俵はあくまでも男性が必死に戦う場と考えているのが大きな理由。
  • 『日本書紀』などにも見られるように、古来より女性が相撲を取っていた事実がある。

最近だと、相撲協会もいよいよ女人禁制について議論し始めたみたいです。女性が国技館の土俵に上がる日をそう遠くない!?