【大相撲】「打ち出し」とは?使われている太鼓は何?
「打ち出し」はその日の興行の終わりを告げる合図。特徴的な太鼓音は、知る人が聞けばすぐ大相撲だと気づくでしょう。ここでは、その打ち出しについて説明しています。加えて打ち出しで用いられていられている太鼓についても紹介しているので、興味のある方はどうぞ寄ってください。
「打ち出し」は終わりの合図
大相撲において、「打ち出し」とは一日の興行の終わりを意味します。本場所、巡業問わず、その日の取組を全て終えると「櫓太鼓」から小気味よい太鼓音が発せられます。本場所中は、ほぼ毎日聞くことになるので大相撲ファンにとっては馴染みの音です。また、興行の最後に披露されることから、打ち出しはその日最後の催しともいえるでしょう。
打ち出しという言葉は、大相撲とは別に芝居などの終わりの合図を指す場合に用いられることもあります。
打ち出しは「はね太鼓」
打ち出しには櫓太鼓と呼ばれる太鼓が用いられ、呼出しが打ちます。櫓太鼓とは文字通り高さ17メートルほどの櫓の上で打たれる太鼓で、本場所中は毎日打たれます。そして、櫓太鼓には「寄せ太鼓」と「はね太鼓」の2種類が存在します。
寄せ太鼓
「寄せ太鼓」は、客を呼び寄せるために打たれる太鼓で、8時半もしくは10時半ごろ(中日以降)の早朝に打たれることから「朝太鼓」とも呼ばれます。かつては「一番太鼓」と「二番太鼓」の2度にわたって打たれていましたが、朝早くからやかましいという苦情もあって、現在は1度のみしか打たれていません。
ちなみに江戸時代だと一番太鼓は、なんと朝の4時から8時の間にわたってずっと太鼓が打たれていたみたいです。時代とはいえ、これはさすがに苦情が出ても仕方がありません…。
筆者も寄せ太鼓は何度も耳にしたことがありますが、寝ている最中にこの音をずっと聞かされるのはたまったものじゃありません。
はね太鼓
「はね太鼓」はその日の取組が全て終了した際に打たれます。つまり、打ち出しの太鼓音ははね太鼓ということになり、打ち出しの語源にもなっています。
また、はね太鼓には、その日の取組は全て終わったことを伝えることに加え、明日も来て下さいというニュアンスも含まれているため、千秋楽に叩かれることはありません。そのため、その日の相撲の終わりを告げるだけでなく、また明日も相撲があるということを知らせてくれる合図でもあるわけです。テンテンバラバラと聞こえるその太鼓音は、客が散っていく様子を表しているともいわれています。
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