【大相撲】「はず」・「はず押し」とは?

大相撲でよく聞く「はず」、「はず押し」について詳しく解説しています。さらに、はず押しで決まった名勝負も取り上げているので、気になった方はどうぞ寄ってってください!

「はず」・「はず押し」

大相撲における「はず(筈)」とは、親指を広げつつ、その他4本の指をくっつけ、ちょうどYの字にするような手のかたちのこと。もともとは、矢の尾部になる弓弦を引っ掛ける切込み(矢筈)のことで、その形と似ていることから付けられた呼び方です。

つまり、はず押しとは、手をハズのかたちにして相手の、特に脇の下に手を当てて押すことで、はず押しをしようとすることをはずにかかるといいます。また、両手、片手の押し方で両筈(もろはず)、右筈、左筈、片筈などといったりもします。

下から上に押し上げるようにするのが技のポイント。かつては横綱・栃木山が得意としたことで有名。

ちなみにはずにかかるとは、脇から押し上げることが転じて、脇からごちそうになる、つまりタダ食いの意で使われることも。

名場面・名勝負「はず押し」

1990年3月場所千秋楽 北勝海対霧島

現、相撲協会理事長を務める八角親方(北勝海)珠玉の一番。

この年の3月場所は、十年に1度あるかないかの巴戦に優勝決定戦。北勝海、小錦、霧島の3力士で争うこととなった。(巴戦は力士が2連勝すればその時点で優勝が確定。逆に2連勝する力士がいなければ永遠と続く。)

注目すべきはその4戦目。3戦目で小錦相手に勝利した霧島は優勝に王手。それを阻止すべく北勝海は、霧島相手に見事なはず押しで、最後は押し出しで勝利。そして、次の取組では、初戦で負けた小錦にリベンジを果たし優勝を決めている。

押し相撲を得意とした北勝海の真骨頂を垣間見た瞬間である。

まとめ

はずは、親指を広げ、その他四本の指をくっつけた指のかたちのことで、その形のまま相手の脇の下を押すことを、はず押しといいます。

取組でもよく見られる技術なので、次回からはぜひその点もよーくチェックしてみましょう!